がらくた通信 滋賀のギター教室の新聞

♪ギターに魅せられて♪
これまではギター合奏の人生
 中学3年の11月20日からギターを始めて実に40数年になります。当初は毎月ドーナツ盤のレ
コードが2枚付いた教材が送られてくる通信教育で、その後半年ほど学校近くの楽器店でレッスン
を受けましたが、あとは高校卒業して日本ギター音楽学校(現、新堀芸術学院)に入学するまで、
ずっと独学でした。
入学後は、はじめて聴いたギターの合奏に夢中になり、在学中は“アンサンブルクラシカ”とい
う学生アンサンブルに参加し、コンサートやレコーディングを行い、2年生からは新堀ギターオーケ
ストラにも入り、文字通り合奏漬けの日々でした。卒業後も教室でのレッスンを行いながら、2つの
プロの合奏団に所属し、週4回の練習をヒーヒー言いながらやっていました。そして、23歳からは
新堀ギターアンサンブルの指揮者となり、全国各地でのスクールコンサートや一般公演、時として
海外公演を行いました。そして、滋賀にやってくる前までは、上越の新堀芸術学院で、学生オケ
を、藤沢の本部で新堀ギターオーケストラと新堀ギターアンサンブルを指揮していました。このよう
に、ギターを始めた頃は別として、この教室を行うまでは合奏人生でした。ですから、私のギター
独奏のキャリアは、まだ5年と少々なのです。

ギターの独奏はさすがに奥が深い
 もちろん、基本的なことは学校時代に習い、レッスンもずいぶんと行ってきましたが、今思うと、な
んと底の浅い演奏法しかやって来なかったものだと、あきれかかえってしまいます。演奏フォーム
にしても、身体の重心の置き方やギターの足におく位置、上半身の使い方などは、教則本の説明
では大雑把な気がします。最近になってつくづく思うことは、良いフォーム、良いタッチなしに良い
演奏は絶対にありえない、ということです。ですから、ギターの練習のその大半はフォームとタッチ
の修得にあてることが必要です。「早く何か一曲弾けるようになりたい」というのは誰もがもつ気持
ちですが、曲、曲と焦る余り、基本を無視して指だけを動かしてしても、決してギターの楽しさを理
解するまでには至りません。

クラシックこそギターの醍醐味を味わえる
 最近クラシックの小品を多くレッスンしていますが、その弾き易さ音楽の簡潔な楽しみ、味わい。
こうしたものが、しっかり備わっていることに改めて驚かされます。ポップス系の歌をアレンジした
ソロギターの楽譜がたくさん出回っておりますが、曲を知っているというだけで、ギターの良さが前
面に出ているものは限られています。しかも、ギター経験の少ない人にとってはかなり難しいこと
がされています。その点、クラシックの曲は無理なくできておりしかも、技術を確実に修得すること
ができます。私はバッハの曲を練習し出して、左右のタッチを大きく前進させることができましたし、
ギターそのものが更に楽しいものになりました。 現在アコギを弾いている方も、是非一度はクラ
シックギターをしっかり練習してみましょう。ギターそのものが更に好きになれると思います。


川口秋子の出会いのハーモニー

 いつか、ハリーポッターを原書で読んでみたい、とずっと思っていた。野上先生の親友で、ヴィオ
ラ・ダ・ガンバの先生として紹介された、大橋敏成先生の影響だ。 東京の上野学院大学の研究
室へ何度か通ったけれど、もともとじゃじゃ馬で、ガンバの修得にそれほど欲のない私は、先生の
人柄にひかれていった。いつもジャンルにとらわれず様々な音楽を聴いてらして、よくテープやMD
にダビングして下さった。手紙を出すと必ずワープロで丁寧な返事が届いた。音楽だけでなくて、
文学・美術・映画・旅・時に料理にもふれ、話題はつきない。常にレディーファースト。はぁ〜〜ジェ
ントルマンってこういう人なんだ…とつくづく感じた。そして、いつもガンバの奏法を研究されてい
た。「これが僕の仕事だと思うのでね」と、よくおっしゃっていた。 先生はヨーロッパのへの演奏旅
行の様子をFAXで送ってくださったことがある。長い長いFAXがじゃばらのようになっていて、帰
宅した私はとても驚いた。でも実は先生はご病気だったのだ。晩年、野上先生に「大橋先生の具
合が悪いようだから会いに行っておいで」と言われて、冬のある日東京のご自宅を訪ねた。腰が
痛むんです、と言いつつガンバでバッハを弾いてくださったのだった。「僕は今でもガンバの奏法を
研究しているのです」と。日本の古楽界の第一人者として優れた奏者を多く育て、名誉教授になっ
ても、最後まで、勉強なんだ、これが本物の音楽家の姿なのか………。きっともう会えないと思っ
たあの日あの音、あの時の陽の光、忘れることはできない。


それゆけ 滋賀市民ギターオーケストラ

 今年は岡部さん編曲による「宇宙戦艦ヤマト」を練習している。市民オケならではの、多彩な楽
器によるサウンドと音量はこの曲にとてもよく合っていると思います。それにしても、岡部さんは市
民オケのサウンドまでよく分かって編曲されている。いったいどこで勉強されたのだろう?毎年編
曲に手を焼いている私には不思議でならない。ともあれ、新しい感覚で選曲し、編曲が出来、レパ
ートリーが増えてゆくことは大変素敵なことです。
さて、今年の私の構想は、ギターのダブルソロパート、市民オケの既存のパートに加え、チェ
ロ、ピアノ、トランペット、ホルン、そして混声合唱を加えたものです。「日本の旅情」というタイトル
でスペインのフラメンコギタリスト“サンルーカル”が作曲したものです。これには、近江八幡市民
音楽連盟の皆さんが協力していただかないとできません。しかし、もし実現できたら、それこそ世
界にここだけのオーケストラになりますし、私の夢である「市民オペラ」へ一歩前進できます。
(小山 清)


今月の練習予定
 滋賀市民ギターオーケストラ
 2/12・26 アクティー近江八幡……   宇宙戦艦ヤマト 平和に生きる権利

ギターアンサンブル湖風  
2/ 5・19 教室 ……シェリーにくちづけ バロック風“春が来た ガボット他


 ♪教室からのお願い♪
・授業料の納入は口座振替でお願いいたします。
・レッスンは月3回までです。回数制ではありませんので、
生徒さんの都合で2回になっても1ヶ月分です。
(可能な限り振替レッスンも行います)


冬はギターの健康に注意しましょう
冬季は部屋の中と外、家の内外等寒暖の差が大きくなります。
又、湿度も暖房器具によって大きく変わります。下記の点を参
考に自分の楽器の状態をチェックしてください。適正な湿度は、
60%前後といわれております。
〈湿度過多の場合〉
・ネックの幅がフレットより広がる
・裏板がふくらみ、いびつになる。
〈乾燥過多の場合〉
・ネックからフレットがやや飛びだす。
・裏板のふくらみがほとんどなくなる。
・音は良くなるが、雑音も出やすい。

滋賀新堀ギター音楽院 小山清のギター教室