ガラクタ通信 滋賀新堀ギター音楽院

【  「我楽多」の由来について  】

「我楽多」は私がつくった言葉ではありません。20世紀最後の1999年12月、雪深い新潟の
大島村(当時、現上越市大島区)で生まれました。人口2,400人の小さな村には
木造校舎を再利用した音楽専門学校”新堀芸術学院”があり、スタッフや教育実習生に
よりギターや大正琴、ピアノ、ウクレレ等の熱心な普及活動が行われておりました。
その甲斐あって2,400人の村で200名近い人たちが楽器演奏を楽しむまでになり、
村は“音楽村”を宣言し、更に音楽による村づくりを目指すことになったのです。
コーラスグループも出来、和太鼓集団も起ち上げられ、音楽愛好者は300人を超える
ほどでした。

 そんな10月のある日、1本の電話が私にかかってきました。相手はNHKBSのディレクター。
「1,000人の力」という番組をつくるので協力してほしい。全国7カ所の地域を選んで、
それぞれが1,000人で行う特色ある企画を考えているので、あなたの所は音楽村宣言
をしているので、是非1,000人でオーケストラをやってほしい、とのこと。私は最初、300人
近くの愛好者がいるから、その人たちをメインにしてあとは簡単な打楽器や手拍子等を
組み合わせればできるかな、とその旨先方に言いましたら、そうではなく器楽愛好者でない
一般の人達をメインにしたオーケストラにしてほしい。しかも、収録の日は翌年1月の
下旬とのこと。「無理です。そんな短期間で準備できるわけがない。」と私。
「そこを何とか!!」と押し問答を10分程やりあいましたが、その時一瞬「コップと茶碗なら
できるかもしれない。」とひらめき、結局受けることにしました。

曲は「春よ来い」にしました。コップと茶碗に水を入れて音階をつくり、で基本的な旋律
を演奏し、ギター、大正琴、和太鼓、合唱、中学校の吹奏楽で伴奏及び前奏と間奏を行い、
鍋の蓋やステンレスのボール、木の板、のこすき(除雪用の木のスコップ)は打楽器として活
用する構成をつくりました。そこからは村が特別に予算を組み、4地区の区長が練習の
リーダーとなり、有線放送で練習テープを流し、それに合わせて毎日練習する、という具合に
村全体で動き出したのです。

と、こうして書き並べても、皆さんはどんなものかイメージが湧かないと思います。
私がお伝えしたいのは、そんな小さな過疎の村で1,000人のオーケストラが誕生しこと、
テレビで全国に放送され、視聴者投票でグランプリを獲得したこと、1,000人の演奏が終わ
った途端、応援団として来村していたヴァイオリンの葉加瀬太郎氏が興奮して指揮台に駆
けあがり、私に抱き着いてきたこと、ではありません。収録が終わって会場を後にする1,000
人のメンバーが口々に「こんな楽しかったことは生まれて初めてだ。」と言ってくれたこと
です。その前年、村長選挙で村は2分し地区同士の遺恨もありましたがオケの練習を通し
て解消され、本番は皆の気持ちが一つになっていることを肌で感じることができました。
後日4地区のあちこちで慰労会に呼ばれました。過疎と呼ばれる村で、なんと2時間。
音楽の話題だけでお酒を楽しく飲むことができたのです。

 そのオーケストラの名前が「我楽多オーケストラ」なのです。恐らく村の役場の人達が
考えたのでしょう。
とても良い名前だと思いました。私が強く推し進める市民ギターオーケストラの原点
なのです。コップや茶わんでも鍋やボールでも大勢で息を合わせて音を出すと、
音が一つにまとまり不思議な感動が生まれてきます。どんなに大勢でも一体感を
感じます。まして、それがきちんとした楽器の集まりなら更に素晴らしい感動が味わえる
ことと思います。
この番組の録画は教室にあり視聴できます。VHSですが、機会を見てDVDに変換し、
貸し出しもしたいと思います。是非皆さんもご覧ください。

   
 
   日常生活の様式が問い直されているコロナ禍の時代、初めの頃の感染する不安から、今
では自分が知らぬ間に保菌者になっていて、他の人にうつして迷惑をかけるのではという
不安な気持ちに変わってきています。 このような生活のなかでも、音楽を聴いて鳥肌が
立つ演奏に出会うと、生きている充実感と安心感が生まれてきます。
鳥肌が立つといえば、一昨年の大垣市での「ボレロ」の市民オケ合奏のことを思い出しま
す。何か今までとは違った空間に入った感覚、あの時の鳥肌はいったい何だったのかと考
えてしまいます。他人の演奏では何度も経験したのに、自分の独奏では今までに一度もあ
りません。そのあたりに合奏のすばらしさがあるように思います。きっと色々な要因があ
って引き起こされるのでしょうが、もう一度、市民オケ合奏で、あの鳥肌が立つ体験がで
きるように、勉強を続けていきたいと思っています。



                              

(藤本 律男) 

   
   
【 アンサンブル&市民ギターオーケストラの予定 】

 ◆滋賀市民ギターオーケストラ 練習日
   10/10、24…19:30 アクティー近江八幡  ファランドール、シルクロード

 ◆ギターアンサンブル湖風
   10/10、24…18:30 アクティー近江八幡  ワルツ、J.U.スーパーUMIKZE

 ◆ギター中級合奏団 (ふなっこ)
   10/12、26…14:00〜15:00 教室


 ◆ウクレレ合奏団(あゆっこ) 
   10/12、26…15:30〜16:30 教室


 ♪教室からの重要なお知らせ♪


教室は私一人で行っています。できるだけ円滑にレッスンができるよう下記の点にご理解とご協力
をお願いいたします。

・授業料は口座振替にてお願いいたします。
・1月、5月、8月以外の月は第5週目の通常レッスンはありません。予約は4週目まででお願い
 いたします。

◆予約&欠席について
 ・予約は直接教室で行うか、電話にてお願いいたします。メールでも受け付けますが、
  確認する時間により、遅くなることがあります。
 ・レッスン当日のキャンセルは原則として振替を行いません。ましてドタキャンは×です。
 ・予約確認のための電話は出来るだけ午前9時〜10時、午後1時〜2時の間にお願いします。

◆感染症に関するお願い
 ・風邪やインフルエンザ等感染症の場合は、初期症状でもレッスンはご遠慮ください。
 私も同様の場合レッスンを休ませていただきます。尚、私の都合で休んだ場合は必ず振替を行います。

・レッスン前にチューニングしておいてください。出来ればレッスン10分前に来て練習室で準備を
済ませレッスンの能率を上げましょう。






滋賀新堀ギター音楽院 小山清のギター教室